ジンジャーエールは禁酒法下のアメリカでシャンパンの代替として好まれたという。やはりどこか大人びた味わいで、お子様舌だったので圧倒的にファンタ派だった。
ジンジャーが生姜だと知ったのは高校の頃だけど、お寿司のガリや生姜焼きなどと同じ成分とはにわかに信じられなかった。ジンゲロール、横文字がどこかうさん臭い。
生姜はその辛みを帯びた風味だけでなく、殺菌力、免疫力上昇、抗炎症作用など数多の効果も有するパワーフードといえよう。そんな生姜料理の代表格が生姜焼である。
こちらの店では、生姜感が強すぎて、用いる食材すら名乗らない。たぶん豚肉だろうけど、牛でも鶏でもおいしく仕上げられる生姜の底力に期待して仕上がりを待つ。
豚の生姜焼というと、豚薄切り肉を用いたオーソドックスなタイプを思い浮かべますが、厚切り肉を用いたポークソテー系や、細切れを用いた野菜炒め系もあります。
どの系統かなと楽しみにしていると、やってきたのはひらひら肉のザ・生姜焼。家庭科の教科書のような正統派の仕上がり。ウキウキとひと切れ持ち上げて、ガブリ。
生姜とミリンのきいた甘め、塩っぱめのタレ、キシキシと繊維の感じられる肉、甘くとろける脂などバランスがよく、ごはんが進むことこの上ないったらありゃしない。
サラダはドレッシングでもいいけど、生姜焼のタレの染みたところが、これまたおいしい。お皿に盛られたごはんを、箸でワシワシ食べるのも、醍醐味ではなかろうか。
生姜味だけでなく、醤油、味醂、お酒、その他の隠し味の集合体なんだけど、自宅でつくってもそれなりにおいしく、外で食べるともっとおいしいのは貴重ですよね。
安住紳一郎の日曜天国で、しょうが焼マニアのジンジャーさんが熱弁していたけど、奥は深く、道は長そうだ。ともあれ、ビタミンブーをいただいて、元気出そうです。
ごちそうさまでした。