今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

麺喰らう(その 948)冷やしたぬきそば

 

うまい、うますぎる。とは埼玉の銘菓・十万石饅頭のコピーであるが、今年は暑い、暑くすぎる。内陸の埼玉はもちろん、ビルばかりの東京も危険を感じる暑さである。

 

すでに、熱いといっても過言ではない熱気のなか、少ない日陰をたどってそば屋にたどり着く。冷たいのを、ツルツルとたぐって、体の内側から冷やそうって寸法です。

 

こちらの冷やしは、値は少々はりますが、絢爛豪華な具材が美しい。冷やしたぬきと言いつつ、どう見ても主役は中央に陣取るパイナップル。思わず笑みがこぼれます。

 

どうせ食べ始めれば器のなかは混沌とするので、ひと口ずつ具材を味わっておこう。煮つけた椎茸、厚焼き玉子、しらたき、なると、きゅうり、本来の主役の揚げ玉。

 

揚げ玉はチクチクと尖っており、食感が存分に楽しめるぶん、すぐにツユを吸ってもろもろになってしまう。細切りのそばとともにすすり込み、サクサク感を堪能する。

 

薬味のネギ、ワサビ、紅生姜も手堅い働きで、予定通り体温を下げつつ食事は進む。缶詰みかんを味のアクセントにつまめば、小学生の頃の夏休みを思い出す味です。

 

あらかた食べ終え、グズグズになった揚げ玉を少しつまむ。お楽しみのパイナップルは食べてみれば3口でお仕舞い。余韻を楽しんだら、また、灼熱のなか歩かないと。

 

ごちそうさまでした。