今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

定食春秋(その 597)天丼

 

いきなりですが、三大丼ぶりを決めるならば、カツ丼、牛丼、天丼ではないか。親子丼は印象が薄く、鰻丼はややお高い。海鮮丼は具材がバラエティに富みすぎる。

 

ボリュームとインパクトのカツ丼、親しみやすさと満足感の牛丼、歴史と伝統の天丼と三者三様に魅力がある。しかし、天丼はチェーン店が少ないのが玉に瑕である。

 

実質的には数多いそば店が天丼屋を兼ねているわけだけど、やはり専門店にも行ってみたい。まあ、テレビでみた占いのラッキーフードが天丼だったという理由ですが。

 

ブログをみれば2年ぶりの訪問で、前回同様に一番シンプルな天丼を注文。とはいえお値段は4桁の大台であり、浅ましくも投資に見合った食事を期待する自分がいる。

 

12時を過ぎたばかりでまだお客さんも少なく、静かな店内には揚げ油のチリチリした音が聴こえる。お茶を飲むときマスクを外すと、香ばしい油の香りにお腹がなる。

 

カトちゃんのちょっとだけよばりに焦らされて、蓋つきの天丼が到着。恭しく蓋をとれば、丼ぶりは期待通りに茶色一色、箸を割って、まずは手前のかき揚げをがぶり。

 

油の香りが鼻腔を駆け抜ける。かき揚げの表面はサクサク、裏面は蒸らされてふわふわ。アンビバレンツな衣の中に、小エビが詰まっており、慌ててご飯をかきこむ。

 

タレは甘さ控えめで、たっぷりかかっているけどしつこくない。どういう原理か知らないけど、二本つながったつまみえびは旨みが詰まっていて、尻尾まで食べちゃう。

 

途中で漬け物をつまむと口がさっぱりするのが助かる。久しぶりのキス天はふわっふわで、ご飯と合うことこの上なし。最後に残る米粒を、お新香でかき集めて完食。

 

敷居は高いけどやはり天丼はおいしいや。インバウンドで浅草の尾張屋が人気だけど、市井の天丼屋さんも頑張ってますね。残るお茶で口をスッキリさせてお勘定へ。

 

ごちそうさまでした。