たばこと塩の博物館に行ったことがあるだろうか。今でこそスカイツリーのそばに移転したけど、以前は渋谷の公園通りに位置しており、記憶のある方もいるだろう。
たばこと塩とは奇妙な組み合わせだけど、かつての日本専売公社、今のJTの企業博物館ときけばナットク。渋谷、押上いずれも何度か行ったけど充実の展示が楽しい。
たばこはさておき、塩というと海からいくらでもとれると思ってしまう。実際わが国では塩田などから塩を得てきたけど、海のない地域では、塩の確保が生命線だった。
上杉謙信が武田信玄に塩を送ったという話もある。世界的には海のない地域でも、塩湖や岩塩などから塩を得ているようで、その辺の理解はぜひ博物館に行かれたい。
そんな塩ですが、高血圧の原因にもなるので、とり過ぎには注意が必要である。以前もブログに書いたけど、1日6gでよいところ、日本人はその倍近くをとっている。
味をじっくりしみこませる和食の功罪であり、塩に罪はない。しかし、塩分を控えろといわれると、メニューに「塩」と書いていないものを選びたくなるのもまた人情。
だが、塩らーめん。そもそもラーメン1杯で1日分の塩分を軽くオーバーするので、味噌でも、醤油でも、ましてや塩でも変わりはあるまい。要はスープを残すのだ。
こちらは地鶏だしの醤油らーめんが一番のウリで、特みそこってりらーめんもおいしく、塩らーめんを食べたことがなかったので、気分転換をかねて塩を注文する。
白濁したスープの表面には、黄色い油が浮いている。醤油のときは気づかなかったけど、この鶏油が旨みの功労者に違いない。スープを飲めば、ダシの味がよくわかる。
鋭敏な舌をもっているわけではないので、そんな気がするだけかもしれない。でも、シンプルな塩味はおいしい。ブランド塩を名乗ってないから、無銘の良品だろう。
白髪ネギ、水菜、糸唐辛子は食感が楽しいね。柔らかチャーシュー、クキクキのメンマも申し分ない。堪能していると、後客が「塩の大盛りとごはん」を頼んでいる。
長いこと通っているけど、ごはんの存在に初めて気がつきました。なるほど、このクセのない塩味はごはんがすすむだろうな。スープをひと口だけ飲んで、箸を置く。
これで5gくらいかな…
ごちそうさまでした。