今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

定食春秋(その 654)ニラレバ炒め定食

 

両親が北陸の戦中生まれだからか、実家では内臓肉を食べたことがなかった。両親の子どものころ蛋白といえばもっぱら魚であり、育ってきた食環境が再現されていた。

 

とはいえ、北陸と関東では漁獲事情が異なる。それに戦後すぐに比べ、昭和後期では食卓に上る料理も欧米化しており、夕食には唐揚げやトンカツが出ることもあった。

 

しかし、自分にとって得体の知れないものを子どもには出さなかった。ハラミはもちろん、タンやレバーも食べたことがなかった。というか、存在すら知らなかった。

 

そんな反動か、大学入学早々食べた牛タンに夢中になり、腹が減っては米を炊いてこてっちゃんをのせて丼ぶりにしていた。それでもレバーは好んで食べなかったっけ。

 

社会人になってモー娘。がレバニラ炒めを歌うころには、滋養強壮としてランチの選択肢に入っていた。たまに食べたくなるとカウンターばかりの町中華に行ったっけ。

 

そもそも、ニラレバなのか、レバニラなのか。中国語では「韭菜炒猪肝」と表記するので直訳ならニラレバが正しい。まあ、ライスカレーでも味に変わりはないわけで。

 

レバニラと名乗りつつ、ほとんどもやし炒めといった店もあるけど、こちらはしっかりニラが入っています。もやしと玉ねぎも散りばめられ、野菜たっぷりが嬉しいな。

 

まずはひと口。おっ、味が濃くてごはんが進むぞ。というより、ラー油がきいているので、ごはんがいつも以上に欲しくなる。嬉しい誤算に昼からビールが欲しくなる。

 

レバは「レバの舌ざわり」としか言いようのない、もそもそと、それでいてねっとりしている。野菜はどれもシャキシャキで、なかでもニラがレバに負けていない。

 

不許葷酒入山門と言われる通り、ニラはニンニク、タマネギ、ネギ、ラッキョウなどとともに五葷(ごくん)とされる。香りが強く精がつく野菜であり、栄養価は高い。

 

タカアンドトシのような名コンビ、ニラアンドレバ。コンビとなるのが運命の両者はオカズヂカラ抜群で文句なし。唯一の欠点はニラが歯に挟まることですね(涙)。

 

ごちそうさまでした。