今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

麺喰らう(その 993)中華ソバ

 

街そば屋がピンチである。かねてからの後継者問題にコロナ禍が追い討ちをかけ、どんどん廃業している。オフィス街も住宅街も傾向は同様で、ファンとしては悲しい。

 

立ち食いそば屋やイケてるそば屋とは異なる、街そば屋ならではの品揃えが消えてしまうかもしれない。例えばあんかけそば、玉子丼、鍋焼きうどんなどである。

 

もちろんほかにも数多いけど、専門店もない、街そば屋で連綿と受け継がれるメニューが好きなのだ。自分にできるのは、生活習慣病にならない程度に食べ支えること。

 

そんな街そば屋の古きよき中華そばも大好きです。こちらでは、五目ソバ1050円、チャーシューメン1000円、中華ソバ650円の品揃え。カナ表記がハイカラですね。

 

小腹満たしなので中華ソバを注文して、壁の一辺を占めるメニューを眺める。650円はたぬき、きつねと同じ価格であり、その気取らなさ、ざっかけなさが嬉しいな。

 

席からテレビが見えないので、メニューをみて暇潰し。おっ、開化丼があるのか。定食も焼肉定食1000円、とんかつ定食1550円、海老フライ定食2000円と充実です。

 

あれも食べたい、これも食べたい。とは東海林さだお先生のエッセイですが、そんな気分。ご近所さんの胃袋を掴み続けてきた街そば屋さん、Uberに負けるなと祈る。

 

さて、やってきた中華ソバはシンプルイズベスト。美しさは、おいしさです。レンゲでスープを試すと、さっぱりだけどコクのある、喜多方ラーメンに通じる味わい。

 

ストレート麺をすすれば、麺もアツアツで五臓六腑にしみる。チャーシューはキシキシ、なるとはムチムチ、わかめシャキシャキ、メンマもコキコキで具材もバッチリ。

 

駐車場がないこちらは徒歩圏内のお客さんが勝負です。近所のタクシー会社の運転手さんが制服でくつろいでおり、食べ支えを心でお願いしつつ、おいしく食べ終える。

 

ごちそうさまでした。