今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

定食春秋(その 657)石鍋マーボー豆腐定食

 

石焼きというと、芋である。さすがにリアカーは見なくなったけど、令和の世でもなお、冬になれば軽トラで石焼き芋が売られている。みかけると、結構売れている。

 

あとはキャンプなどで石でステーキを焼くとか、石狩鍋に石を入れてアツアツにするとか。日常を少し離れた、野趣あふれる料理法のイメージである。ビビンバとかね。

 

今日は初めて飛び込んだ中華料理店。外に向けた窓越しに、持ち帰り弁当を取り扱っており、行列が伸びている。飛び交うのは中国語で、どうやら本格派中華店ですね。

 

お品書にはセロリとか、レタスとか、いわゆる町中華では炒めないようなメニューがみられ、少し異邦人気分。豊富な種類から曜日替わりでお得なランチがあるらしい。

 

本日選べるのは石鍋マーボー豆腐、トマトと玉子炒め、セロリと豚肉炒めの3種。通常価格より30円引きだし、数多いメニューから選ぶのも骨が折れるので助かるな。

 

こうも寒いと、カラダをしっかり温めたいので、石鍋マーボーを選ぶ。水をくんで、なお並ぶ行列を眺めつつ待てば、程なく到着。静かにクツクツ煮える鍋が頼もしい。

 

豆腐がさいの目ではなく、ゆるやかに崩れているのがいかにも本格派。日本人の四角四面さとは真逆ですが、豆腐が崩れているほうが味がしっかりしみて好みなのよね。

 

匙で食べれば、豆腐を後入れしたのか、少しヒヤッとしていて、それほど熱くない。そのぶん舌の上でしっかり味わえるんだけど、中華スパイスの香りが食欲を加速する。

 

複雑な辛みにはごはんが似合います。水を飲んで舌を休ませたのち、サラダを喰み、スープを飲む。細切りの搾菜はやたらと塩っぱく、これだけで丼ぶり飯がいけそう。

 

店内の程よい活気も、耳へのごちそう。マーボー、ごはん、マーボー、ごはんと食べ続ければ、最後に石鍋に残るのは、ラー油海。これは絶対飲んだらあかんヤツだな。

 

好吃。ごちそうさまでした。