「三大ホニャララ」がある。純粋に数字でランキングを決めているものはともかく、ふわっと雰囲気で決まっているものは少し疑わしい。利権とか、郷土自慢がからむ。
たとえば日本で高い山というと、富士山、北岳、奥穂高岳である。ところが、日本三大霊峰になると、富士山、白山、立山となる。あれ、高野山とか入らないのね。
白山や立山が悪いわけではない。この括りには根拠があるだろう。でも「はくさん」か「しらやま」かすら知らない人もいそうである。もちろん、はくさんだけど。
さて、本日のランチは世界三大スープの1つ、トムヤムクンをベースにしたカップヌードル。ちなみに残る2つは、ブイヤベースとフカヒレ、追ってボルシチだとか。
名前が4つあがっていることからも、少し曖昧で、諍いがあることがわかる。そもそも、三大ホニャララとまとめるのを好むのは日本人の習性のような気もしてきた。
ともあれ、トムヤムクン。純粋なスープとして食べたことはなく、カップヌードルの印象が強い。タイ料理店で食べたときも、たしかトムヤムラーメンだった気がする。
すると「クン」は単独で意味を持つのか。調べてみると「トム」は煮る、「ヤム」は和える、「クン」はエビを意味するとか。トムヤムラーメン、エビ抜きだったのね。
そんなところで3分経ったので、フタをあけて、辛みペーストを混ぜ込む。いかにも異国、エキゾチックな香りがしますね。ズズズッとすすると、酸っぱくてむせ込む。
おお、そうだった、こんなのだった。酸っぱくて、辛くて、おいしい。東南アジアの料理を食べるときは、つい語彙がなくなるけど、香草の匂いって伝えられないよね。
カップヌードルご自慢の小エビがたっぷりで、まさにトムヤム「クン」ヌードル。塩っぱくないのに味わいが強のは、わが国の料理とは異なるけど、なぜか舌が合う。
口が辛くなったところで、おにぎりを頬張る。冷たい白米のやさしい味が舌を癒してくれます。米を食べて、宮廷料理があるタイのスープ、そりゃ日本人好みですかね。
ごちそうさまでした。