オシャレな店が苦手である。ドレスコードなどはもってのほかで、間接照明とか、コンクリ打ちっぱなしとか。私の感覚も古いだろうけど、イナカモノには似合わない。
「意識高い系」とくくって思考停止することはないけど、少しすわりの悪い店はある。おいしいのだけれど、緊張する。食事くらいは解放されていたいのです。
たとえラーメン店であろうと、オシャレ関係はあるわけですが。こちらジャズの流れる店内、帽子やシャツが黒ずくめの店員、かなり若い客層など、ハードルが高い。
店員さんは私のことなど気にしちゃいないのはわかっているけど、少しネクタイを締め直して店に入る。店頭で目星をつけておいた、ラム煮干しらーめんを食べるのだ。
食券を買うと、相席で案内される。それはまったく構わないのだけど、二人がけのカウンターで、調味料や箸がお隣さんの前にある。小心者としては、これはつらい。
箸はさすがに取らざるをえないけど、各種スパイスや調味料は、いちいちお隣さんの食事を中断しなければならない。ラーメンの到着前に早々にその辺はあきらめる。
お茶を淹れて、チビチビ飲みつつ壁を眺めれば「螢烏賊らぁめん」「汁なしチョコもち担々麺」など、奇想天外なメニューのポスターが貼られており、興味津々です。
とはいえ、ラム煮干しだって、インパクトは負けていない。ブログを復習すると、以前食べたときはラム豚骨らーめんだったので、初めての体験となる。楽しみだな。
幸いにお隣さんより前にラーメンがきたので、それほど遠慮せずに箸を取る。レンゲを差し込めば、どろりと粘度の高いスープは濃厚で、ラム感はそんなに感じない。
色濃い麺はしなやかだけどかたい。なんでもデュラム粉入りらしくパスタ感にあふれてます。パクチーやレモンピールなど、トッピングも濃ゆいスープに負けてません。
やたら長いメンマは、太い幹から枝葉に分かれた独特の形状で、ザクザク、フニフニ食べてゆく。小間切れの真空低温ラムチャーシューはしっとりと艶っぽいおいしさ。
一時期のジンギスカンブームは過ぎ去り、羊肉はわが国でそんなに広がりませんが、プロがつくるとまた格別。うめぇ〜、とお約束をつぶやきつつ、ペロリ完食です。
ごちそうさまでした。