今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

麺喰らう(その 7)朝そば(温泉玉子)

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蕎麦ってえもんは、挽きたて、打ちたて、茹でたてでなきゃあいけねえよ。ああ、そんなにとっぷりツユをつけるもんじゃねえ。こう先っちょにチョンチョンと。そいつをすっと吞み込むんだ、おいおい噛むもんじゃないよ、喉越しを楽しまなきゃあ野暮だ。


そばを食べるとき、油断すると私の中の小さい江戸っ子がこんなふうに話しかけてくきます。っていうと病的ですけど、かつて読みふけった美味しんぼの功罪というか、ツウであるべきといった強迫観念が頭をもたげることがあります。

そう、田舎の高校生だった私にとって美味しんぼというフォーマットはひとつの衝撃で、出された食べものに文句をつけるなんて発想が革命的でした。母親の手料理に、まったりだの、シャッキリポンだの言っては嫌がられたものです。


とはいえ、美味しんぼの呪縛もとうに解けた四十半ば。中松警部のように新そばでなければ食べられないなんてことはないし、富井副部長のように大酒乱でもない。この話、富井副部長、関係ないけど。

そもそも立ち食いそばに四の五の言うほうがよほど野暮ですね。さっと食べて、さっと立ち去るのが粋とは思いますけど。


で、ゆで太郎

店舗ごとの製麺により、挽きたて、打ちたて、茹でたてに挑戦するチェーン店です。マツコの知らない世界でも驚かれていたけど、その辺のそば店よりよほど美味しい。まあ、実はどの辺のそば屋でも美味しいと思ってますけど。

ともあれ、朝そばのお値打ち感、一味や七味やゆず粉などの豊富な薬味、朝は入れ放題の天かすなど、ゆで太郎ならではのおもてなしは嬉しい。イス席と立ち席がある内装も嬉しい。


あっという間に完食。私の中の江戸っ子も出る幕なしです。


ごちそうさまでした。