今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

定食春秋(その 4)肉野菜炒め定食

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「野菜を食べなさい」

若い頃、一人暮らしの私に母親が電話口で繰り返す。

「野菜を食べなさい」


「野菜を食べたい」

その頃の母親の年頃になってしみじみわかる。

「野菜を食べたい」


ああ、あれは親心であるし、母親自身の欲求でもあったのだなあ。

肉でカラダをつくり、脂を潤滑油とした年頃は、とうに過ぎ去ったということです。


さて、肉野菜炒め定食。こちらのお店は季節のお野菜というか、その日その日で入っている野菜が違っていて、いつきても楽しめます。よくいえば大らか、悪くいえばアバウト。ま、個人店の良さがにじみ出ていますよね。

もやし、青菜、白菜、人参、玉ねぎ、おっキクラゲも入ってる。「肉」野菜炒めなので当たり前ですが豚コマも入っており、濃いめの味つけで、ご飯が進むこと、進むこと。


野菜、かむかむ。

ご飯、かむかむ。

大根のみそ汁で口のなかを洗い流す。

豚肉、かむかむ。

ご飯、かむかむ。

キュウリの酢の物で口をさっぱりさせる。

漬物、かむかむ。

ご飯、かむかむ。


豚肉以外は、野菜だらけですが、ひたすらに咀嚼したのがよかったか、すっかり満腹です。

キレイにたいらげたあとは、甘味処らしい渋い粉茶をズズズと飲み干す。オレ、日本人だなーとしみじみ思うのも歳くった証拠ですね。


そう、私も娘に繰り返す年頃なのだ。

「野菜も食べなさい」


ごちそうさまでした。