任天堂スイッチのソフトは、子どもが誤って飲み込まないように、ものすごく苦いらしい。
試す勇気もないんですが、性質上空気穴をあけられないから、いい工夫だと思う。
とにかく子どもは苦味が苦手で、それは毒を摂らない防衛本能であり、必要がない栄養分は摂らないという身体生理だろうし。
良薬口に苦し。でもオブラートやゼリーに包んでしまえば、大人になるまで、いや大人になっても苦味と接する必要はありません。
野菜も昔はこう、エグ味というか、アクが強かったように思います。ほうれん草なんて、いつのまにか生食できるようになっていて、昭和生まれとしては隔世の感がありあり。
それでも苦味というのは年をとるごとに味わい深くなってきます。コーヒーはブラックで飲むし、ゴーヤチャンプルでビールを飲むし、むしろ好きになってきますね。
苦みばしったいい男なんてのは死語かも知れませんが、さまざまな味わいを楽しめるのは大人の特権なのかなー。
とくに春菊。
すき焼きなんて、春菊をおいしく食べるための壮大なダシ作りといっても過言ではありません。クタクタに甘辛く煮込んだ春菊に、溶き卵をつけて食べるおいしさといったら! 日本酒がなんぼあっても足りません。いや、日本酒飲むとすぐ寝落ちするんですけど、それくらいの意気込みです。
さて春菊天。
かき揚げタイプのお店も多いですが、こちらは原形をとどめたままですね。サクサクした葉と、筋っぽい茎が、ちょうどいい食感のアクセント。
玉子をからめてすき焼き風にしてみたり、七味をかけてみたり、しっかり苦味を楽しんで完食。栄養的にもきっとバランスのよい一品でしょう。
ところで、苦味って「にがみ」だとばかり思っていましたが、「くみ」とも読むんですね。ひとつお利口になりました。皆さんは、ここまでどちらで読んでました?
ごちそうさまでした。