いろいろあって、京都に来ました。
いろいろあるので、京都でゆっくり食事をとる時間はないけど、せめて立ち食いうどんでもと思い、構内を探索。ありました、立ち食い店。イスはあるけど、あえてそう呼ぶ。
関西の麺事情といえば、きつね、たぬき問題。
詳細は複雑なので覚える気もありませんが、「きつね=お揚げさん」「たぬき=揚げ玉」がのったうどん/そばという固定観念は関東人の思い上がりのようです。
「きつね、たぬき×うどん、そば×大阪、京都」の場合分けがあるとか。くうう、百聞は一見に如かず、ウィキを何度読んでも頭に入らない。
さてさて券売機を見るにきつねはあるけど、たぬきはない。きつねはいつものきつねだろうし、ここは物珍しい「きざみ揚げ」にしとくかね。
ところが、カウンターに食券を「うどんで」と出すと、いかにも京都といったイントネーションのお姉さんが「きつねぇ~」と復唱する。
いやきつねではなく、きざみなんだけどな。食券にもそう書いてあるけどな。と気を揉むも、お姉さんは食券をガン見して麺の到着を待っているので、何も言えなくて … 春。
ひょっとしてこれが、京都のイケズ?
で、茹であがったうどんに手際よく乗せられたのは、きざみ揚げ。ネギとカマボコが添えられ、黄金色のダシが注がれて出来上がり。腑に落ちないけど、無事きざみ揚げうどんを手に入れました。
カウンターの隅で、サービスの天かすをドバドバ入れて、いただきます。なるほどサービスなんだから、東京でいうたぬきは存在しないわけだ。
まずは汁をジュルッと。うん、関西のダシ。透明で、イリコのうま味がしっかりする、おいしいダシ。七味は少なめにパラリでいいや。
麺はモチモチ、唇では太刀打ちできず、前歯で噛むと軽く抵抗してやがて切れるコシの強さ。喉越しで食べるものかもしれないけど、よく噛んだほうがおいしい。
天かすは、実際に天ぷらを揚げたあまりでできているので、たまに謎の具が入っていてラッキー & おいしい。ゲソかな、コレ。
さらに謎なのは、なんできつねと言われたのか。
気になるとコロンボばりに眠れないので調べると、
「大きなお揚げ」がのったものは「甘ぎつね」、
刻んだ味付けのないお揚げがのって「きつね」、
に餡かけすると「たぬき」なんだとか。
なんか誤魔化されたような、騙されたような、まさにきつねにつままれた状態で完食。
京都の人気を反映してか、外国人、サラリーマン、家族連れなど、ひっきりなしに人の出入りがありましたが、味は私のお墨付きでおいしいどす。
ただ、店の外には讃岐うどんの文字が。そこは京風を名乗って欲しかった、かな。
ごちそうさまでした。