今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

定食春秋(その 25)鳥の唐揚げ定食

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鳥からにレモンかけるなって言ってんだろうガァ‼︎


な〜んて争いが時に起こるとか。気配りも難しいですよね。そもそも、同じ皿に添えられているならお店の推奨なんですよね、レモン。


アルコールによる自制心の低下、あるいは本音のダダ漏れでしょうか、酒席のたわいもないイザコザは避けたいものです。


ちなみに、わたし自身はどちらでも派。店で食べる唐揚げは、揚げたてをハフハフ、ビールでウグウグ流し込むのがベストなので、枝葉末節にはこだわりません。大事なのは、揚げたて。


とはいえ小さい頃、遠足で唐揚げが入っていると嬉しかったなあ。揚げたてとは程遠い「肉は素材の味など微塵も残らないほど火をしっかり通す」流儀の母の手によるカッチカチの唐揚げ。


脂身を好まぬ母は、ささみの唐揚げをよくつくってくれて、それがまた、噛みしめるとキシキシとした歯ごたえでおいしかった。外食であまりみないからこそ、家庭の味として思い出に残る。


さて、思い出に浸るうちに、やってきました揚げたての唐揚げ。オカズとしてのインパクトはチキン南蛮に譲りますが、シンプルに肉と肉汁の旨味を楽しむならば唐揚げもいいもんだ。


揚げたてによる口内火事をおそれ、まずはみそ汁をすすり、サラダをもぐもぐ。ツボ漬けでご飯をひと口食べたのち、やおら唐揚げを取り上げる。


小ぶりなのでひと口でパクリ。予想通り肉汁の花火が上がる。ここで水に逃げては武士の名折れ、力強くご飯をかきこむ。熱いって言ってんだろうガァ‼︎  と怒れるわが臓器たち。


胃腸に負担をかけないようよく噛みたいけど、ハフハフしないと耐えきれない熱気。旨味を味わうとは何ぞ?  という焦りながらのハフハフ。


ハフハフ、もぐもぐ、忙しい時間を過ごすうち、やがて落ち着く唐揚げの熱気。ちょうどいい加減になったあとは、心穏やかなランチタイム。小鉢のひじきも大事なミネラルだな、な〜んて心の余裕も出てくる。


丹念にサラダをつつき、大皿をキレイにしたところでやや余るご飯。私ともあろうものが、おいしさのあまり唐揚げの配分を見誤ったか。そこで切り札のツボ漬けでご飯をやっつける。黄色い実力者に感謝。


ごちそうさまでした。