名古屋めしというのは、個性的であなどれない。おしなべて味噌味のイメージだけど、実際はそうでもない。
胡椒味の手羽先はエッジがきいてるし、魚介スープのスガキヤも個性的。カツオだしのきしめん、ひたすら甘い小倉トースト。あんかけスパなんて、もはや形容もできない味わい。
そんな個性的な名古屋めし軍の一角、台湾ラーメン。台湾には存在せず、台湾人の郭さんがつくったから台湾ラーメン。
ところで名古屋で郭さんといえば踊るストッパーこと郭源治だけど、関係ないらしい。ちなみに埼玉の郭さんは郭泰源だ。
閑話休題、旨辛グルメとして名を馳せる台湾ラーメンが東京で食べられるのは出不精としてはありがたい。
いっとき行列も長かったようですが、さらに東京に支店を増やしたからか、すんなり入店できました。
券売機にはいろいろ並んでいるけど、まずは基本の台湾ラーメン。券売機の左上、それが一見さんの最善手なり。
店員さん同士の会話は中国語。カウンターに陣取り、ケンカしているようなやりとりを聞くともなしに聞いているとやってくる My ラーメン。
丼ぶりから立ちのぼる湯気からしてむせ返りそう。もし色がつくのなら、真っ黄色の湯気といった印象。
よく混ぜて食べてね〜という壁の但し書きに従い、麺の天地を返すように撹拌するたびに湯気が目にしみる。
さて、緩やかなウエーブの麺は、スープによく絡み、食べるたび唐辛子の成分が液化して口に入ってくる。
勢いよくすするとむせそうで、そろそろ食べるも、ノドに唐辛子がはりつき、急いで水を飲む。
ニラやモヤシは歯ごたえよく、底に沈むミンチ肉をつついては食べる。そのうちだんだん慣れてきて、辛味のなかに旨味が見いだせるようになってくる。
そうなると、俄然勢いづき、麺をすすり込んではむせ返るのに耐え、レンゲでミンチをすくいがてら、スープを飲んだりする。コイツァうまいや。
壁には、アメリカン=からさ控えめ、イタリアン=からさ2倍など派生品がいろいろ紹介され、地名の渦に酔いそうになる。カレー味まであるのか。
食べ終える頃には、唇がヒリヒリ。
でもイヤなからさではないから、この痛みを忘れた頃にまた来ようかな。人は痛みを忘れる生き物だしな。
そもそも本場で食べてみたい。台湾ではなく名古屋だけどね。望むところだな、名古屋めしのくいだおれ。
ごちそうさまでした。