名は体を表す。そんなふうに言いますが、うどん/そばの名づけというのは、ひとひねりあるものが多い。
「たぬき」は天ぷらの"種ぬき"から転じて。
「きつね」は"稲荷"神社の神の使いから。
「おかめ」は"顔"のように具材を並べたから。
「花巻」は"花びら"のように海苔を散らしたから。
ではなぜ餅入りを、"力(ちから)"と言うのか?
"力もち"からのダジャレとか、腹もちがよく"力"がつくからとか言われるけど、決め手に欠ける。
個人的には焼き餅がふくらむ様子が"力こぶ"のように見えるからではないか、という俗説を唱えたい。なんというか、それっぽい。
ともあれ、力うどん。炭水化物 on 炭水化物だけど、たまに食べたくなる不思議。カラダの欲求には忠実にありたい、そんなランチタイム。
みりんのきいた、色の薄いダシがいいネ。ひと口、ふた口飲んでみて七味をぱらり、パンチを加える。
あとはうどんをズルズル食べつつ、餅を食べるタイミングをうかがう。半分くらい麺をやっつけたところで、やおら餅にかぶりつく。
ネットリ、ニッチャリ、歯茎にまとわりつくやわらかさ。うどんダシでコーティングされた絶妙な味つけ。
なんか、こう、お雑煮気分だナ。令和元年の元日に食べなかったぶん、ここでじっくり味わおう。基本うどんなのはわかってるけどさ。
令和かな もちに沁みいる うどんダシ
などと俳句も浮かぶ。我ながら才能がないと苦笑いしつつ完食。ダシもつい多めに飲んじゃったので、グラスの水を飲み干してノドの渇きに備える。
餅食べて 力がついた 気がするナ
ごちそうさまでした。