今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

麺喰らう(その 82)力うどん

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名は体を表す。そんなふうに言いますが、うどん/そばの名づけというのは、ひとひねりあるものが多い。


「たぬき」は天ぷらの"種ぬき"から転じて。

「きつね」は"稲荷"神社の神の使いから。

「おかめ」は"顔"のように具材を並べたから。

「花巻」は"花びら"のように海苔を散らしたから。


ではなぜ餅入りを、"力(ちから)"と言うのか?

"力もち"からのダジャレとか、腹もちがよく"力"がつくからとか言われるけど、決め手に欠ける。


個人的には焼き餅がふくらむ様子が"力こぶ"のように見えるからではないか、という俗説を唱えたい。なんというか、それっぽい。


ともあれ、力うどん。炭水化物 on 炭水化物だけど、たまに食べたくなる不思議。カラダの欲求には忠実にありたい、そんなランチタイム。


みりんのきいた、色の薄いダシがいいネ。ひと口、ふた口飲んでみて七味をぱらり、パンチを加える。


あとはうどんをズルズル食べつつ、餅を食べるタイミングをうかがう。半分くらい麺をやっつけたところで、やおら餅にかぶりつく。


ネットリ、ニッチャリ、歯茎にまとわりつくやわらかさ。うどんダシでコーティングされた絶妙な味つけ。


なんか、こう、お雑煮気分だナ。令和元年の元日に食べなかったぶん、ここでじっくり味わおう。基本うどんなのはわかってるけどさ。


令和かな  もちに沁みいる  うどんダシ


などと俳句も浮かぶ。我ながら才能がないと苦笑いしつつ完食。ダシもつい多めに飲んじゃったので、グラスの水を飲み干してノドの渇きに備える。


餅食べて  力がついた  気がするナ


ごちそうさまでした。