「冷やし中華、始めました」の響きだけで、食欲のない昼休みも乗り切れる気がするナ。
でも鮎の解禁日とは異なり、各店舗で X デーはまちまちなので、基本的に足で確かめて回るしかない。
こちらは通年メニューに「5月から9月」と時期が明記されていたので、お昼休みにいそいそと訪問。店が混み合う前に入れたのでひと安心。
カウンターからチラリと見える厨房では、小さなフライパンで卵を焼き始めている。おお、錦糸卵は作りおきでないんだな。ボルテージ上がるネ。
やってきましたひと皿は、なんというか、ドリームチームです。マイケル・ジョーダンやマジック・ジョンソンが輝いていたような、オールスターメンバーです。
まずは、主力となる卵、ハム、キュウリ、トマト、ナルトのスターティングメンバー。
さらにベンチにはワカメ、ノリ、キクラゲ、レタス、紅ショウガが控えてます。誰が出場しても遜色ない、豪華なラインナップ。
まずは、スープにカラシを溶いて、箸をペロリ。ツーンと涙のでそうな辛味を楽しむ。
皿を持ち上げ、ゴクリと飲んでみると、酸味のなかにそこはかとない鶏ガラ感があるようなスープ。
これがやや平たい麺によく絡んでおいしい。ズルズル食べていると、ほんのりソース風味も感じられてきた。
浮いてる油がほんのり赤いのは、ラー油も入っているのかな? その複雑さが快感です。
さて、冷やし中華は具材のブロックごとに味の変化を楽しみつつ食べたいところ。ハムの部、キュウリの部、錦糸卵の部 … … etc.と食べすすむ。
最後は残り少ない具材と麺をまぜっ返して、混沌も味わう。味も食感も異なるスター軍団の個性をスープがうまくまとめてますね、安西先生です。
さて、祭りのあとは、皿になみなみのスープが残るのみ。
丹念につついては、はぐれ具材や麺の切れ端を見つけて、いちいちほくそ笑む。しみじみオレ、冷やし中華、好きなんだな〜と思う。
最後は再び皿を持ち上げ、スープをひと口。名残惜しくてもうひと口、合わせてふた口飲んでしぶしぶ別れを告げる。まだまだ、これから夏のお楽しみは続くんだけから、と自分を説得。
ごちそうさまでした。