今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

定食春秋(その 55)カレーライス

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今日は朝からカレー腹なのである。お昼休みを告げるベルに、とらわれの心と体取り戻して街並みをゆく。お目当てはないけど、ゆっくりできるところがイイナ。


ふと見れば、いかにも学生街の喫茶店といった風情の店に空席が。チャンス到来とばかりに滑り込み、カレーライスを注文。


ランチタイムはこれ1本だからか、厨房へは「ひとつ、お願いします」だけで注文を通してました。なるほど、老舗っぽい。


クラシックが流れる、薄暗く静かな店内。静かに雑誌を読む人、談笑する人びと、後客の応対をする店員さん。こう、様式美過ぎて眠くなる。zzz


程なく、らっきょう、福神漬けの小皿が運ばれてきて、ムードが高まる。ウキウキ。セイロン風カレーっていうけど、付け合わせは和風なんだな。


やってきたのは、いかにもカレーというひと皿。真ん中を陣取る肉塊とジャガイモが威風堂々としています。


ソースが右手、ライスが左手になるよう 90 度回頭したのち、いざいざいただきます。


おっ、こいつはピリ辛。ふだん子どもたちに合わせた生っちょろいカレーを食べてる身には余る光栄だネ、


カレーソースにニンマリしつつ、時折ジャガイモをスプーンで割りながら食べる。後入れホクホクじゃ。このほかに野菜なし、ウムいさぎよし。


汗がじわーっと出てくる辛さはちょっとした快感。塊り肉もスプーンでほろほろと裂けて、断面に地層のようなきめ細かい繊維が見える。ひと口噛めばキシキシと歯ごたえよく、歯茎が弾力に大喜び。


福神漬けの甘みは辛さを中和し、らっきょの酸味は辛さをひきたてます。カレーライスはついつい飲み込みがちなので、意識してよく噛む。


もう、鼻に抜けるスパイスの香りたるや、陶然とします。


グラスの水が甘露のようにはたらき、カチャカチャと食べ進めるうちに、ライスは残りわずか。


ついつい勢いよく食べたけど、セイロン風ってどのあたりなんだろう。スリランカのことらしいけど、スパイスの調合とかだろうか。おいしけりゃいいけどネ。


さて、こちらのお店は単なる平皿ではなく、縁が高いので、最後までご飯がすくいやすい。名店ならではの静かな心配りが嬉しい。


食後のアイスコーヒーは、ガムシロップを入れようとほろ苦さが確かで、カレーの後味を華やかに消し去る。梅に鶯のごとく、カレーにコーヒーは鉄板の組み合わせですねえ。


ごちそうさまでした。