今日は朝からカレー腹なのである。お昼休みを告げるベルに、とらわれの心と体取り戻して街並みをゆく。お目当てはないけど、ゆっくりできるところがイイナ。
ふと見れば、いかにも学生街の喫茶店といった風情の店に空席が。チャンス到来とばかりに滑り込み、カレーライスを注文。
ランチタイムはこれ1本だからか、厨房へは「ひとつ、お願いします」だけで注文を通してました。なるほど、老舗っぽい。
クラシックが流れる、薄暗く静かな店内。静かに雑誌を読む人、談笑する人びと、後客の応対をする店員さん。こう、様式美過ぎて眠くなる。zzz
程なく、らっきょう、福神漬けの小皿が運ばれてきて、ムードが高まる。ウキウキ。セイロン風カレーっていうけど、付け合わせは和風なんだな。
やってきたのは、いかにもカレーというひと皿。真ん中を陣取る肉塊とジャガイモが威風堂々としています。
ソースが右手、ライスが左手になるよう 90 度回頭したのち、いざいざいただきます。
おっ、こいつはピリ辛。ふだん子どもたちに合わせた生っちょろいカレーを食べてる身には余る光栄だネ、
カレーソースにニンマリしつつ、時折ジャガイモをスプーンで割りながら食べる。後入れホクホクじゃ。このほかに野菜なし、ウムいさぎよし。
汗がじわーっと出てくる辛さはちょっとした快感。塊り肉もスプーンでほろほろと裂けて、断面に地層のようなきめ細かい繊維が見える。ひと口噛めばキシキシと歯ごたえよく、歯茎が弾力に大喜び。
福神漬けの甘みは辛さを中和し、らっきょの酸味は辛さをひきたてます。カレーライスはついつい飲み込みがちなので、意識してよく噛む。
もう、鼻に抜けるスパイスの香りたるや、陶然とします。
グラスの水が甘露のようにはたらき、カチャカチャと食べ進めるうちに、ライスは残りわずか。
ついつい勢いよく食べたけど、セイロン風ってどのあたりなんだろう。スリランカのことらしいけど、スパイスの調合とかだろうか。おいしけりゃいいけどネ。
さて、こちらのお店は単なる平皿ではなく、縁が高いので、最後までご飯がすくいやすい。名店ならではの静かな心配りが嬉しい。
食後のアイスコーヒーは、ガムシロップを入れようとほろ苦さが確かで、カレーの後味を華やかに消し去る。梅に鶯のごとく、カレーにコーヒーは鉄板の組み合わせですねえ。
ごちそうさまでした。