今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

麺喰らう(その 106)岩のりそば

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新宿の立ち食いそば、かのや。

スツールがあるから正確には立ち食いではないけど、まあ、そっちのジャンルの名店です。


うどんは関西風、そばは関東風のダシで供され、圧倒的なクオリティと、お値打ちな価格設定で私の心を盗みおった、ルパンのような店です。


久しぶりの来店で悩むものの、岩のりそばを選択。香り高いのりがいいんだナ、これが。


ブログをみれば、冬にも岩のりうどんを食べてますね。シンプルながら飽きない味なんですよ。


呼び出しがかかり、席に運んでいるうちに、しなしなしてくる岩のり。ダシに溶けだす磯の香りがたまりません。


ツルツルとすすると、海辺にいるような錯覚を起こすほど。なんていうか、飲む「ごはんですよ」といった風情。褒めてます、これ、褒めてます。


のりってお値段によってホントに味の濃さ、磯の再現度が違いますよね。味付けのりがハムならば、贈答用はステーキ。


どちらもいいんだけど、それくらい違う。良し悪しでなくジャンルの棲み分け。


そういえば、ふつうのそば屋で花巻そばを頼んだら「のりがのってるだけですけど、いいんですか?」と確認されたことがあったな。わかっとるわい、と思ったもんだ。


さて、ゴマをかけたり、七味を振ったりしつつ五割そばを食べすすめる。岩のりを意識して口に運ぶことはなく、食事の段取りは、かけそば感覚。


スッスッと食べるとあっという間になくなってゆき、最後は底に沈んだ岩のりを丹念につつく。さすがに完飲しないとすべては食べられないので、いい按配を見計らって箸をおく。


ごちそうさまでした。