小諸そばの期間限定メニューには佳作が多い。
同じそばチェーンでも、富士そばのように内角すれすれを攻めたようなメニューではない。
無難な、外国人の初球に外角に逃げるスライダーを投げるようなセオリー通りの攻め。だが、それもいい。
基本はそばとのセットだけど、朝っぱらなので控えめに丼ぶり単品。
朝イチからカツを食べておいて何を控えているのか、と言われれば返す言葉もないけど。
ともあれ、食券を差し出すと「今から揚げますんで、3分ほどお待ちください」との返答。
まだ早い時間で、かき揚げだの、エビ天だのを揚げにゃならん時間帯に不意打ちのようなカツ丼ですから。
まあ、こちらとしては3分なぞ問題なし。むしろ揚げたてでラッキー、ってテンションまで揚がります。
そもそもカツ丼といえば、カツを出汁で煮込んで卵でとじたアレが主流派。彼らはわざわざ「卵とじカツ丼」なんて名乗りません。主流派だもん。
一方のたれカツ丼。
ソース味、しょうゆ味など各地いろいろあるけども、いまだ勝ち組とは言い切れず。局地戦では大人気ですが、全国区にはなりきれていません。
個人的にはたれカツ丼はカツのサクサク感が残るので、卵のヤツと五分五分の評価です。
さて、やってきたのは、小ぶりで衣の薄いカツが3枚のった一杯。むかし、母親がつくってくれたトンカツってこんなんだったな、火が通るように薄くて小さかった。
ノスタルジーはそこそこに、小諸名物・卓上サービスのカリカリ梅を真ん中に配置する。おお、風車のようで、彩りも良くなったナ。
ではまずカツをガブリ。みたらしのような甘しょっぱいタレだね、おいしくないわけがない。
サクサクと軽い食感と、肉のキシキシした歯ごたえがステキやん。
サイドメニューでもあるので、ご飯も少なめなのがいいな。胃も朝から意外な食材がきて、驚いているだろうけど、今日を頑張る意欲が貰える丼ぶりです。
なーんて、朝から油と脂に塗れたので、お昼は抜きにしないとな。
なぜだか店内には初期のミスチルがオルゴールで流れている。イノセントワールド、名もなき詩。あの頃は、いくらでも食べられた気がするなぁ。
… いや、昔からそんなに量は食わないな。いかんいかん、記憶を美化してるわ。万事こうならないよう、気をつけよう。
ごちそうさまでした。