疲れがたまっていてもいつもの時間に目覚めるサラリーマンのサガ。粛々と電車に乗って、見慣れた駅前に降り立つ。
今朝は何を食べようか、なんてボーッとしていると、ふと、風のにおいがかわったことに気づく。何というか、秋っぽい。台風一過のせいかな。
むろん絶賛残暑なんだけど、季節の変わり目に年々敏感になる気がする。これが老化かな。何というか、時の流れに聡い感じ。
さて、そうなるとにわかに季節を先取りするべく、温かい蕎麦なぞ手繰ろうかね。
見慣れたのれんをくぐり、春菊天そばを注文。いつもなら玉子も入れるけど、今日は春菊に集中しよう。
こちらでは通年春菊がいただけますが、やはり冬に近いほうがおいしい気がすしますナ。鍋物の影の実力者だしね、春菊さん。
さて、ほどなくやってきた春菊天そば。姿揚げされた春菊を一瞬ツユにつけて、葉っぱ側にザクザクかぶりつく。うん、ほろ苦。
茎のほうはツユに漬け込んでおいて、しばらくそばを手繰る。相変わらずのやさしい味が嬉しい。
さて、おおかたそばを食べ終えたところで、春菊の後半戦。繊維質を感じながら、茎側を食べていく。
ザクザクというよりキシキシ、先ほどより命を食べてます感が強い。歯ごたえがあるからかな。
いずれにせよ、おいしくいただいて、ツユをちょっぴり残す。ささやかな塩分対策、小さいことからコツコツと、ね。
ほんのり汗ばんで店を出れば、秋の風が吹いている。季節の分針がコチコチ進んでるな。
ごちそうさまでした。