今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

麺喰らう(その 699)つけとろ

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昼休み、軽くそばでも手繰ろうか。キュッと締められたそばを、少しツユにくぐらせて、ズズッと一気呵成に味わい、鼻から抜ける香りを楽しむ。


とかいうと、粋でいなせなそば通のようですが、そんなことありません。そばは好きだけど、立ち食いでも構わないし、麺類みな兄弟の精神です。


さて、もりそばを手繰るのはいいけど、少し栄養もつけたい。この店は瀟洒なメニューですから、タヌキやキツネ、ましてやムジナなどございません。


季節の天ぷら、鴨団子などどれもおいしそうだけど、つけとろの文字にひかれて心を決める。ひらがなのもつ、優しいイメージにピッタリですね、とろろ。


とろろは胃に優しいイメージがあるけど、実際問題生のイモなので、よく噛んで食べないといけないらしい。ズゾゾってすする以外の食べ方したことないや。


そばもそれほど噛まずに喉越しを楽しむものだし、気にしない。フワッと盛られた山芋が美しく、蕎麦猪口もあるので、別々に楽しむのだろうな。


まずは蕎麦猪口にツユをいれ、ズズッ。間違いない風味が鼻を駆け抜ける。2口目はネギ、3口目はワサビ、お次は大根おろしを入れて味変を楽しむ。


で、とろろ。ツユを少し入れて、卵黄とよくかき混ぜて、むっちりとしたところを箸でちぎってパクリ。しっかりした密度を感じて、栄養ありそう。


ツユにつけたり、そばと一緒にふわふわ、ネバネバとした食感を楽しむ。正式な食べ方はわからないけど、とろろの椀にツユをすべて入れちゃえ。


蕎麦猪口はそば湯用にして、あとはとろろ椀にそばをつけ、一緒にすすり込む。くちびるヌルヌル、黄身のコクとツユの味が予定調和のように合います。


このタッグ、超人師弟コンビ、いやいやマッスルブラザーズくらいの組み合わせですね。ズルズルとそばを食べ終えるころに、そば湯のおでまし。


とくとくと、濃ゆいそば湯を注ぎ、ルチンをたっぷりといただく。すっかり冷えた胃が温まり、これなら、消化にもよかろうとひとりほくそ笑む。


ごちそうさまでした。