暑くも寒くもないと、季節を先取りして温かい汁物が食べたくなる。ファッションには無頓着だけど、食事くらいは敏感でいたい。
さて、立ち食いそばの角を陣取りメニューを睨め回してゴボー天を選択。なんとなく、歯ごたえのよいものを食べたかった。
やってきたのはゴボー天が居並ぶ一杯。
七味をパラパラかけて、いただきます。ゴボーをゴリゴリと食べる。うん、予想通りの歯ごたえダネ。
しっとり系の衣がツユを吸っておいしい。しょっぱいのに、ダシがきいてる絶妙なツユが素晴らしい。七味がきいてるのも回転のよさの証だネ。
ゴボーは基本、かなりの歯ごたえ。たまにやわいのがあるのは御愛嬌。無心になってアゴを動かしていると、ふと思い出す。
なんでも戦時中、捕虜を飢えさせたらいかんと、工夫してゴボーを食べさせたら、終戦後木の根っこを食べさせられた! と憤慨したとかいう話。
実のところは、食べ物以外の扱いのひどさがあったようだけど。食というものは文化そのものなんだとしみじみ思う。
ゴリゴリと顎を酷使しつつ、そんなことを思う。
そばをツルツル、ツユを少々、グラスの水をゴクリと飲んで、あらかた食べ終える。
満腹になるとラブアンドピース、大事だなーなどと改めて思う。
ごちそうさまでした。