今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

定食春秋(その 90)オムライス

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中華屋さんのメニューにオムライスをみつけて、慌てて頼む。


いや、慌てる必要なんか微塵もないんだけど、なんとなく気が急くというか。


ほら、中華屋さんに来たからには、オムライスが目的だったわけではないので、自分の気が変わらないうちに、といった感じ。


そもそも、オムライスって、自分でつくろうと思うとそれなりに大変ですよね。


ご飯を炊いて、フライパンでチキンライスに仕上げる。いったんフライパンを洗って、卵を溶いて薄焼き卵をつくる。


ご飯をフライパンでオムレツにトントン巻きたいけど、残念ながらそんな技術はない。


ゆえに、あらかじめお皿にこんもりと盛りつけたチキンライスに卵をのせて、ケチャップをかける。


ふう、書いてるだけでもひと苦労。そんなオムライスが座ってるだけで食べられるんだから、こいつぁステキで愉快だ。


頼んだあとでよくよくメニューをみれば、オムライスのほか、チキンオムライス、ポークオムライスがそれぞれ+150円で別掲されている。


なんだ、なんだ。頼んだのはすなわち素オムライスということかナ?  麦茶をおかわりしつつ、到着を待つ。


やってきたのは、薄焼き卵がのった系のオムライス。


そうそう、洋食店ではないんだから、こんな感じでいいのよ。家庭の味の延長でさ。


スプーンをスッと差し込んで断面をみれば、具が玉ねぎのみのシンプルさ。軽くひと匙ぶんすくって食べれば、べチャリ系の濃ゆい味。


薄焼き卵の甘みとケチャップの酸味が入り交じり、玉ねぎのシャキシャキとご飯のベッチャリも楽しくて、嬉しいな。


何というか、不器用なカノジョが一生懸命、見よう見まねで初めてつくったようなオムライス。


むろんそんな甘酸っぱい思い出なんて微塵もないけど、そんな妄想を抱くような昼下がり。


フワトロとかデミグラのやつもおいしいけどさ、これでいいんだよ、こういうのが食べたいのよ、オジさんは。


などといいつつ、中華スープで一息いれながらカチャカチャと食べ進め、あっという間に完食。


3杯目の麦茶ですっかりケチャップづいた口をすすぐ。


ふう、今度はポークにしようかな。


そうしたら「あなたのために一生懸命練習して、お料理うまくなったんだからネ、オムライス」が食べられますな。いや、妄想だけどサ。


ごちそうさまでした。