餃子というのは本来、炭水化物=皮、肉・野菜=餡であり、主食足りうるものだという。
さらに言えば本場中国では水餃子が基本で、焼き餃子は残り物の再加熱に過ぎないらしい。
若い頃、美味しんぼでそのことを知り、軽く驚いたものの、とくに感化されずに、焼き餃子のオカズ扱いを続けている。
調べれば、そもそも焼き餃子は満州からの引き揚げ者が〜とかあるらしいけど、餃子は郷に入りて郷に従ったわけです。
ならば、その餃子に対する敬意として、焼き餃子を食べるべきである。
うん、論理的なようで要は焼き餃子が好きなだけですね。
無理なこじつけはやめとこう、サクサクの皮とジューシーな肉汁、それをオカズに食べるご飯が至福なだけです、ハイ。
さて、やってきました餃子定食。
ほらほら、本格中華屋さんでも、日本で商売するからには焼き餃子+白ご飯を提供するわけですよ、などとひとりごちる。
まずは、ザーサイをタクワンがわりにひと口。これも美味しんぼで得た知識だけど、ザーサイを漬け物のように食べるのは日本独特で、本場中国では刻みこんで食材の1つとして扱うとか。おそるべし、雁屋哲。
閑話休題。綺麗に2列縦隊を組んだ餃子から、まずは1つつまんで、何もつけずにパクリ。皮の甘みと肉汁の旨みがよくわかっておいしい。
さて、タレを自作しようかナ。この感じなら、酢3にしょう油1、ラー油ひと垂らしくらいかな、などといそいそ小皿を満たす。
あとは無心。
※餃子にタレ、ご飯にワンバウンド、半分かじる、餃子の断面にタレを染み込ませておく、ご飯を食べる、もう半分の餃子をパクリ、ご飯を食べる(※に戻る)
単純作業のごとく食べ進めれば、みるみるスタミナがチャージされてくる。幸いにニンニクは入っていないようで、ランチどきには嬉しい。
1列片づけたところで、水をひと口ゴクリ。スープを半分ほどいただいて後半戦。餃子とご飯をひたすらに往復、よく噛んで、飲み込む。
ふう、おいしい。
中国の人からすれば、なんで焼くかね? なのかもしれないな〜。餃子の王将が苦戦したとも聞くし、土地に合った進化を遂げたんだな、餃子は。
中国に居場所がないなら、ずっといていいんだぞ、と優しい声を心中でかけつつ2列目もやっつける。
グイッとスープの残りを飲み干すと、すっかり腹くちくなりました。
何というか、はじめてカリフォルニアロールを見たときは、何考えてるんだアメリカ人は? と思ったけど、食べてみたらありだな、大ありと思ったのを思い出します。
焼き餃子も大ありなんだよ、ほんと。いつか日中餃子友好条約が結ばれますように、と妄想しつつ箸を置く。
ごちそうさまでした。