いかすバンド天国、通称イカ天。平成黎明期のバンドブームを支えた名物番組。相原勇による「次はこのバンドだいっ」が印象的だったな。
なんでこんなことを思い出したかと言えば、今朝のそばがイカ天だから。あんまり食べないんだけど、たまには違うものをと選んでみた。
イカ天は思った以上に大きく弧を描き、あたかも相原勇のように丼ぶりで微笑んでいる。曙、元気かな、などと連想ゲームをしつつ、箸をわる。
まずはルーチン、丼ぶりを持ち上げ、玉子の白身をチュルリと吸う。賛否あろうけど、これでツユは濁らない。黄身が満月のように浮かぶ。
さてイカ天。パクリと齧りつけば表はサクサク、裏はしっとり、中の身は滑らかな舌ざわり。トレビアーン、と私のなかの偽フランス人も大喜び。
イカは近年不漁だというけど、食卓にはいつごろ影響が出るんだろう。海産物の資源保護は、国境線が明確にないだけに世界的問題ですよね。
さてさてイカ天。たま、ジッタリンジン、ビギンあたりが思い出せます。たまなんて平成のビートルズとか言われてたっけ。懐かしさしかない。
ここらで軽く熱が通ったトロトロの黄身を割り、よくまぶしてソバボナーラに仕上げる。グラッチェ! 私のなかにイタリア人もいたようです。
それにしても 21 世紀になってジッタリンジンの「夏休み」がカバーされるとはね。個人的には「にちようび」のほうが好きだったけどなー。
とか考えているうちに丼ぶりはカラッポ。相変わらずの淡麗なツユはクセになる、ひと口、ふた口飲んで箸を置く。たまにはイカ天もいいもんだ。
ごちそうさまでした。