今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

麺喰らう(その 399)国産海苔そば

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花巻そばを出す店が少なくなって久しい。蕎麦前のつまみとして出す焼き海苔と同じ、厚くて黒い海苔を散らした、香り高き伝統の種ものです。


立ち食いそばでは見かけないし、街そば屋さんで出すのも一部の老舗くらい。たまに食べると、イキな大人になった気がしてよかったのになぁ。


こちら、立ち食い店ながら珍しく「国産海苔」そばを出すとか。みたところ生海苔だから、花巻そばとは違うけど、これはこれでおいしそうだ。


初めての店なので、まずはつゆをゴクリ。ダシと醤油がきいた、しょっぱめのつゆ、好みです。そばを食べれば、磯の風味が飛び込んできます。


かつおと海苔のダブル海産物がいい働きです。褒め言葉が貧困だけど、ご飯ですよ、に似た濃密な旨みがそばとつゆの個性に上乗せされますね。


いい大人として、この語彙の少なさはどうかと思うけど、かなり褒めています。もう少し文化に触れないとね。池波正太郎でも読んでみるかな。


みれば別盛りの小皿に山葵が添えられている。半分食べたあたりでそろそろと溶いてれば、鼻に抜ける辛みが、永谷園の山葵茶漬けの如く絶品。


… 語彙不足を改めて感じますが、ワイン通のように、腐葉土や熱を帯びた小石に食べ物を例えても伝わりませんしね。おいしければ、それでよし。


ごちそうさまでした。