日課の散歩の途中、住宅街の駅近くにポツリと立つ富士そば前を通りかかる。マクドナルドも撤退した街で生き残る、強かな富士そばを表敬訪問。
券売機のメニューは百花繚乱、悩めばキリがないので、朝そばを選ぶ。温・冷、そば・うどん、きつね・たぬき、など選ぶべきことがらは多い。
演歌の流れる店内は、朝とは思えぬ場末感。早起きして活動しているんだけど、徹夜明けで栄養だけを求めてやってきた歌舞伎町感に浸ってみる。
呼び出しまで時間がかかっているのでどうやら茹でたて。壁のポスターでは、ふぐのキャンペーン中。魅力的だけど朝イチに揚げものは重い。
朝そばは温玉なのね。ひと口すすれば角の立つ茹でたてそば、ダシのきいた黒いつゆ。富士そばは店ごとの裁量が大きいけど、安定しておいしい。
サジで細かなたぬきを掬って食べすすむ。温玉を割るタイミングは悩むけど、中盤で思い切ってザクリ。そばにまぶし独特のネットリ感を楽しむ。
食べ終えて顔をあげれば、私が来る前から冷やしそばを食べている青年が、まだ水をおかわりしている。ムム、私が早食いすぎるかもしれないな。
早メシも芸のうち、なんて昭和マインドは捨て去って、アラフィフのカラダをよく労らないとね。胃袋に休日はないのだから、せめてよく噛もう。
ごちそうさまでした。