本場中国ではタンタン麺は汁なしが基本らしい。担担麺は天秤棒で「担」いで売っていたのが名づけの由来というし、汁ものはこぼれるからかな。
つけ麺よりラーメンのほうがスープのぶんお得な気がするのと同様、汁なしより汁ありを選んでしまう貧乏性。少し勇気を出して、一歩踏み出す。
やってきたのは、肉味噌を冠にいただき、ネギ、ニラ、もやしを従えた威風堂堂の麺。どれ、見せてもらおうか、汁なしタンタン麺の味とやらを。
その名も「あえ」タンタン麺ですが、まずはそのままひと口ツルツル。油でコーティングされており、かすかに底に溜まったラー油の味がする。
ここで麺をあえる。上を下への大騒ぎ、ではないけど、丹念に混ぜていくと、丼ぶりは茶色一色に染まる。さて、麺をズルズルとすすり込むかね。
見事にカライ。ラー油の辛みとスパイスのシビレが阿吽の呼吸で口内を攻めます。久しぶりの唇が痛くなる感覚。汗もジワリ、楽しくなってくる。
肉味噌や胡麻ペーストの有無など、店ごとの流儀がありますが、辛みとシビレがタンタン麺の決め手だな。そんなことを思いつつ、水をガブリと。
ごちそうさまでした。
