暑くも寒くもない、いわゆるいい季節。ランチも熱いもの、冷たいものを気分しだいで選べる頃合いです。定食、麺類、丼もの、何にしようかな。
大通りを歩けば店の入れ替わりに気がつく。飲食店の常だけど、テナント募集中も多い。できる範囲で食べ支えようとの、謎の義務感を背負う。
で、担担麺を選ぶ。いつも人気で私の支えなぞ必要なさそうだけど、空席が私を呼んでいる気がしたので。カウンターに座り、メニューを開く。
排骨のせにひかれたものの、一万円札での支払に気がひける小市民。ここは足るを知る。トッピングなし、辛み増しでノーマル担担麺を注文する。
まずは、ゴマエキスたっぷりのスープの香りを堪能。そののち「お酒です」と書かれたコーレーグスをたんまりかけて、麺をツルツルとすする。
細麺が適度にスープを絡めとり、鼻腔に抜ける芳香を楽しんだのち、細麺をプチプチと食む。辛みがひいたころ、舌の上には旨みだけが残る。
跳ねないように、匙を使いながら丁寧に食べる。ニラ、青梗菜、焼豚などトッピングを平らげたのち、スープに浮かぶゴマペーストを掬い飲む。
刺激に慣れた口腔を慰めるようにジャスミン茶をゴクリ、水とは異なる清涼感に包まれる。店を出ても、暑くも寒くもなく、ただただ身体が熱い。
ごちそうさまでした。
★しばらくは孤食のグルメ&お蔵出しです。