担々麺は字面からどんな料理か伝わってこない。もともと、中国で材料を天秤棒で担いで売り歩いたからこの名づけになったらしく、元来は汁なしだったとか。
最近は汁なし担々麺もあるけど、先祖返りしたようなメニューなんだな。さて、こちら担々麺専門店はノーマル、黒、金、生姜などバリエーションが豊富。
どれもおいしいのはわかってるので、実に悩ましい。色の濃いものは体によいというし、今日は黒にしようかな。寒いので、辛味増しのホットで注文する。
店内はクリスマスソングが流れ、歳末なのだとしみじみする。年々時の流れが速くなるのはジャネーの法則で説明できるけど、それにしても1年が速すぎる。
ともあれ、真っ黒な担々麺とご対麺。漆黒のビジュアルは、イカスミを思わせます。さて、黒ゴマたっぷりのスープを、上澄みが拡散する前に匙ですくいとる。
ゴマの香りが鼻腔を満たし、甘く、少しざらついていて、言うことなし。細ストレート麺をすすれば、計算されたようによく絡み、辛味がまとわりつく。
サクサクの青梗菜、ホロホロのチャーシューもおいしい。具材を食べてしまうと、丼ぶりの表面は黒一色。味変のために卓上のコーレーグスをふりかける。
「お酒です」と運転者への注意書きがあるほどのアルコール濃度。唐辛子のエキスを吸い取った泡盛の香りで、また1つおいしさのグレードが上がりました。
跳ねないよう注意して食べたけど、シャツに黒ジミを発見。遠慮なく紙エプロンをつければよかったと思うも、体の前面のキズならば、武士の誇りなどと思う。
ごちそうさまでした。