カンパチと聞いて、魚を思い出すのが凡人、渋滞を思い出すのが東京人、川谷拓三を思い出すのが昭和生まれ。同音異義語って難しいですね。
環八ついでに環七。初見殺しのその読み方はかんなな。かんしちと読んで、捕物帳じゃないんだからと言われたのは、吉田戦車さんだったっけ。
ともあれ、本日のおすすめはカンパチ。ブリと違っていつが旬なのか判然としませんが、脂ののったカンパチは、ブリに負けず劣らず。楽しみだ。
まずは、ワサビをとりだしてしょう油で溶いて回しかける。いやいや、刺身を都度しょう油につけるのが正式ですよ、なんて向きもあるけどサ。
高級料亭であるまいに、普段使いの定食屋さんでそんな格式張らなくても。小皿も片方が細くなっていて、どうぞかけてくださいって言ってるし。
まずは手前の蒸しエビ。サクサクした歯ざわりがいいね。うっ、思ったよりワサビがきいてる! 慌てて、ほかの刺し身のワサビをこそげちゃう。
ほら、正式な食べ方しないから、なんて心の声を封殺。丼ぶりものとしての一体感を優先してかきこんでいく方針。あおさ汁で、ひと息つく。
マグロ、ねっとり。サーモン、脂のってる。イワシ、青魚の矜持。ねぎとろ、フワッフワ。どれもこれも宝石のように美しい。ガリで小休止。
カンパチは脂のりのり、実は白身ではなく赤身ですから、というカミングアウトがよく似合うネ。ご飯をひと粒残らずいただいて、お茶でしめる。
ごちそうさまでした。
★しばらくは、孤食のグルメ&お蔵出しです。