今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

定食春秋(その 311)昭和のオムライス

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昭和は遠くなりにけり。昭和生まれにとって、2つ前の元号というと明治なわけで、令和生まれにとっては昭和はすでに教科書で学ぶ歴史なのだ。


そう思うと急に老け込んだ気になるもので、大正がモダンなら、昭和はレトロ。昔はよかったオジサンにならぬよう、なるべく気をつけたいな。


さて、看板でみかけた「昭和のオムライス」にひかれてはじめての訪問。わざわざ昭和と名乗るには理由があるだろう。自ずと期待が高まります。


字カウンターと2人がけのテーブルが2つの小ぶりな店だけど、そのぶん目が行き届いている清潔さ。使い込まれた木のカウンターが好ましい。


ミニサラダを食べていると、卵をカチャカチャ溶く音、シュワワと焼く音が。コロナの影響で店内が静かなので、調理音が心地よい BGM です。


ほどなくやってきたのは、食品サンプルのお手本になりそうなひと皿。ラグビーボールのようなキレイな黄色い山に、赤いケチャップがポタリと。


玉子は流行りのトロトロではなく、しっかりと火が通ったオフクロの味系統。彩りのパセリをパクリと食べて、ケチャップを熱心に撫でつける。


では、端っこにスプーンをサクリ。断面にはケチャップライスがこんにちは。食べ進めればハム、玉ねぎ、マッシュルームと教科書のような味。


喉が渇きそうなほどケチャップまみれ。ミニスープで舌をリセットしつつも、なんとなくこのくどさが昭和感あふれる気がして、嬉しくなる。


最後に残ったごはん粒をスプーンの背に押しつけて、残さず平らげる。ここに至り水をゴクリ、紙ナプキンにキスマークをつけて、余韻にひたる。


ごちそうさまでした。


しばらくは、お蔵出しです。