初夏は食べ物がおいしい季節です。走りの果物や脂の乗り始めた魚など、収穫の秋に勝るとも劣らずきらびやか。中華のそんな春メニューに悩む。
筍をはじめとした春野菜、桜色が艶やかなエビ、どれも捨てがたいけど、潮干狩りの季節だし、あさりにしよう。炒飯にするなんて物珍しいしね。
あさりとご飯の組み合わせは、深川めしにも通じる相性のよさ、江戸っ子お墨付きです。程なくやってきたのは大皿に盛られた迫力満点のひと皿。
レンゲでヒョイっとひと口。あさりによる海鮮の風味が鼻を抜けたのち、炒飯ならではの油っ気が追いかけてくる。シアワセの予感、大当たり。
あさりがずいぶんプリップリ、まるでハードグミです。新鮮なのはもちろん、絶妙な火加減こそ中華の本領発揮。レンゲが加速する味にニンマリ。
たっぷりのネギは、彩りの青ネギ、食感の白ネギと役割分担がしっかり。ひたすらに炒飯を口に運び、玉子スープで小休止してまた炒飯へと戻る。
黒酢をかけて味変したり、あさりを選り分けてプリプリを堪能したり、なんとも贅沢な時間。旬の食材は医者いらず、いいこと尽くしですね。
ごちそうさまでした。
★しばらくは孤食のグルメ&お蔵出しです。