すうどん。かけそば同様具材のない麺類であり、金欠、節制、清貧などのキーワードで語られる。関東では、かけうどん表記が多いかもしれない。
かけそばは「一杯のかけそば」まで知らなかったけど、すうどんは小学生の頃「白い戦士ヤマト」という、闘犬を描いた漫画でその名を知った。
「お金が入ったら スウドン をおごってやるよ」「スウドン? ケチだなあ」とのやりとり。辞書を開くこともなく、そのまま読み飛ばしていた。
スウドンが、素うどんを指すと気づいたのは社会人になってからではなかろうか。すう+丼、あるいは酢+うどんと解釈して気にしていなかった。
さて、所用で横浜駅。相鉄線改札内にある「星のうどん」でブランチを。モーニングは終了しており、期間限定の桜えび天をすうどんに乗せよう。
こちらは博多うどんを出しており、店内はダシのいい香りに満ちています。なんで横浜駅で博多うどんなのかは謎ですが、おいしいから無問題。
程なくやってきたうどんにたっぷりゴマを擦りかけて、七味もひと振り。ダシをグイッといただくと、複雑な、それでいてまとまりのある旨味。
うどんはコシを主張せず、しずしずとした喉ごしが黄金のダシによく合う。お楽しみのかき揚げはゴボウと玉ねぎがベースで歯ごたえがサクサク。
ごぼうは野趣に溢れ、玉ねぎは甘い。ここに桜えびの風味が加わり、ダシの深みも相まってえもいわれぬ幸福三昧。ここらで水を飲んで小休止。
卓上のおろし生姜をたっぷり入れて、後半戦のスタート。勢いつけてうどんをすすれば、生姜の香りが鼻に抜け、胃袋から温まるのが嬉しい。
ダシを飲み干しても小腹満たしにちょうどいい分量。新宿辺りにあると嬉しいスウドンですね。所用を忘れそうなほど、夢中のひとときでした。
ごちそうさまでした。
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