小腹がすく。この場合の小腹(こばら)はお腹に関するちょっとしたことに使う表現らしい。中腹(ちゅくふく)は山の中頃だし、大腹(おおっぱら)は太っ腹である。
大中小で、これだけ意味が違うのは興味深い。どれも絶妙に使いそうで使わない単語だけど比較的「小腹」を使うかな。少し何かお腹に入れておきたい、そんな朝です。
朝定食や丼は重いし、パン気分でもない。そんなときは、麺類ですね。脳内地図を検索して、関東風のツユがおいしいそばか、ダシと喉越しがおいしいうどんに絞る。
地下鉄から地上に出たところで、信号が青ならば横断歩道を渡ってそば、赤ならば角を曲がってうどん。そう心に決めた結果がうどんです。少し暑いので、冷やしかな。
小腹満たしなので小を選ぶ。「生姜、天かす入れますか」の確認には小腹満たしなのに「ハイ」と返事。サービスの天かすを断れるわけがあろうか、いやない(反語)。
するとものの40秒もかからずにうどんが提供され、そのスピード感にはドーラもニッコリです。まずダシをゴクリ、塩っ辛くないのに旨みがギュッと味が濃いですね。
うどんをすすれば、もちもちと歯を押し返すような弾力が嬉しい。天かすはダシを吸ってなおサクサクで、食感にアクセントをくれる。おろし生姜の香りもいいね。
ツルツルとうどんをすすれば、小盛りだけにすぐになくなる。小腹満たしという所期の目的は達せられたけど、うどんのあまりのおいしさに、少し物足りなさも残る。
過ぎたるは猶及ばざるが如し、と自分を説き伏せつつダシをグイグイと飲む。血液と同じ浸透圧ではないかと思うくらい、ポカリのように喉越しよく、おいしいのです。
ごちそうさまでした。