暑い日は冷たい麺に限る。早足でお目当てのそば屋さんへ向かい、いつものように二色もりそばを頼もうとしたとき、ふと新メニューが目に入る。
「冷麦打ちました」繊細なそば切りが楽しめるこちらで、冷麦とは。袖擦り合うも多生の縁で注文すると、厨房へは「麦ざる」と伝えています。
冷麦のざる盛り、ということかな。そうめん<冷麦<うどんと太くなっていき、冷麦は1.3〜1.7 ミリだから、およそそばと同じくらいの太さだね。
さて、お楽しみが到着。いつもならワサビが陣取る薬味皿におろし生姜が鎮座するのが、なるほど冷麦。パッと見た目は更科そばにも見えますが。
ちょこっとつけて一気にたぐる。ツルツルと喉越しのよさは言うまでもない。さながら新緑を流れる清流の如き冷涼な爽快感に、しばし耽溺する。
最初は麺ツユのみで味わい、+ねぎ、+大根おろし、+生姜と徐々に味変し、最後は池波正太郎よろしく冷麦にチラリと七味を振りかけてたぐる。
手打ちの冷麦はかなりの歯ごたえで、決して太い素麺ではなく、むしろ細い讃岐うどんといったたたずまい。幼い日の夏を思い出す、そんな味。
食べながらそば湯をもらえるのかな、と心配していると、ちょうど食べ終わる頃合いにいただけました。生姜のぶん、いつもより温まりますね。
ごちそうさまでした。
★しばらくは孤食のグルメ&お蔵出しです。