定食春秋(その 340)ひと口ヒレカツ定食
若いみぎり、歳をとると脂がキツくなるのは都市伝説だと思っていた。ところが、五十路がみえてきたこの頃、きっちりと脂がキツくなっている。
カルビよりタン、トロより赤身、豚ロースよりヒレ、モモより砂肝。好みの問題とごちゃ混ぜだけど、明らかに嗜好も変わっている。なるほどね。
で、ひと口ヒレカツ。好評につき再登場という日替わりメニューに期待がかかる。ランチコーヒーをチビチビ舐めて待てば、程なくお出ましです。
ひと口とは名ばかりで、立派なカツが3枚も。まずはソースをかけてガブリ。熱々の衣、キシキシとした肉の繊維、ソースの甘みが三位一体です。
チャンスとばかりにご飯を追いかけてかきこむ。ハフハフと熱気を逃したら、味噌汁をズズっと。小市民の幸せここに極まれり、といった味わい。
2切れ目は卓上の塩をパラリ、肉の旨みがよくわかります。要所要所で野菜を食み、口を軽くしてカツに戻る。キャベツは油物によく似合う。
壺漬けや切り干し大根も大事な味のアクセント。
脂、油ともにおいしいけど、早くも腹くちくなってくる。最後のひと切れはソース+カラシで。
ツンとした刺激で最後の食欲を振り絞り、キレイに完食。あとでベルトを緩めなきゃと思いつつ、ぬるくなったコーヒーがしみじみおいしいな。
ごちそうさまでした。
★しばらくは孤食のグルメ&お蔵出しです。