定食春秋(その 339)セイロン風カレーライス
学生街の喫茶店。昭和レトロな店内は適度に薄暗くて落ち着く。名物のカレーを食べにきたんだけど、いちおうほかのメニューも眺めてみる。
コーヒー、紅茶、ジュースはじめ、フロートやスカッシュなど、飲み物は充実のラインナップ。ケーキやゼリーもあるけど、食事はトーストのみ。
なるほどカレー一本槍。改めて潔さに感服する。セットのドリンクはアイスコーヒーを選び、BGMのクラシックに耳を傾ける優雅なひととき。
あいにく高尚な趣味を持ち合わせないので、クラシックにはすぐに飽き、スマホを眺めつつ待つ。やがて、らっきょうと福神漬けが運ばれてくる。
こちらの名物はセイロン風カレー。以前調べたけど、セイロン=スリランカ風なのよね。正論風カレーだったら面白いのに、などと思う間に到着。
カレーとご飯の境界線には、じゃがいもと肉塊が鎮座していますね。サラサラのカレーソースはスパイスの辛みや香りが前面に出ていて頼もしい。
ご飯をまぶしつつ食べてゆくと、すぐに口の中が辛くなり、らっきょう、福神漬けに救われる。唐辛子だけでなく、スパイスの複雑な辛みですね。
時にホクホクのじゃがいもの甘さを堪能して、あるいはスプーンでほぐれるホロホロの豚肉に耽溺する。だんだん顔や背中が熱くなってきました。
デコ汗じわりのスパイス感こそが老舗の勲章。寸断なくスプーンを動かして、キレイに完食。これぞ確かにカレーの正論だな、などとほくそ笑む。
タイミングをはかるように到着するアイスコーヒー。遠慮なくシロップを入れ、すっかり熱くなった口腔を癒やす。口福三昧なランチでした。
ごちそうさまでした。
★しばらくは孤食のグルメ&お蔵出しです。