つけ麺というのは、麺そのものに自信が溢れている。ラーメンでは、まずはスープから味わうという風習もあり、麺はスープと常にからんでいる。
一方でつけ麺。どっぷりつければスープとなじむし、ちょこっとつければ麺の味がよくわかる。いっそ何もつけずに食べてもそれなりにおいしい。
素材の味を楽しむなんて高尚な趣味はないけど、おいしいものを素直においしいと言える気持ちはもってます。さて、能書きはともあれ、つけ麺。
製麺所が営むこちらは、当然麺に自信あり。なんなら大盛もサービスという嬉しい心意気。とはいえ、食前からお腹が丸い中年腹ゆえ自重する。
魚介の香りが漂うつけ汁にどっぷりと麺をつけてすすれば、縮れ麺がこれでもかとおいしさを絡めとる。合うの合わないのって、実に合うのよね。
もやし、水菜はつけ汁に漬け込み、麺とともにシャキシャキいただく。まん丸のチャーシューはつけ汁に入らないので、半分に折り畳んでパクリ。
なんというか、無心です。麺を噛めば小麦の味がして、喉越しはツルツル気持ちよい。濃いめのつけ汁は麺はもちろん、具材にも実にピッタンコ。
ざる蕎麦と同じ形式ながら、イキだイナセだ、薬味だ、そば湯だと思い悩むことなく、無我の境地です。ツルツル食べていけば、丼ぶりは空っぽ。
つけ汁にかつ浮かぶ野菜、かつ沈むメンマを丁寧につつく。まだ温かいつけ汁をひと口、ふた口飲んだところが潮時。グラスの水で塩分を薄める。
ごちそうさまでした。
★しばらくは孤食のグルメ＆お蔵出しです。
