相模国だから相州。理屈はわかるけど、耳慣れない。信濃国からの信州、甲斐国からの甲州あたりと比べると、人口に膾炙しない。
まして長州なんて長門国であることを忘れるくらいで、主客逆転するほど馴染んでいる。まあ、地元では相州、相州言ってるのかな。
ともあれ、こちらは相鉄線の駅そば、相州そば。オーソドックスなメニュー展開だけど、カレーセットにするお客さんの多い印象。
小腹満たしなので、カレーは自重。おや、きつねがたぬきより10円高いね。同額の店が多いなか、何か仕事がしてあると踏みました。
普段はたぬき派ですが、せっかく相州くんだりまで遠征しての食事なので、冒険してみよう。きつねは、半裁の三角形が4枚です。
マスクを外せばダシの香り。ツユを飲めば、みりんと醤油のきいた濃いめのタイプ。そばをスルスルすすれば、当たり前においしい。
きつねは程よい甘辛さで炊いてあり、なるほど、たぬき+10円の価値はある。ズルズルと食べつつ、きつねとたぬきについて思う。
どちらもイヌ科で、日本昔ばなしの影響か身近に感じられる。人を化かすわけないけど、女狐、古狸なんて化かされてみたいかも。
世界的にみれば、たぬきのほうが遥かに珍しく、シンガポールの動物園はたぬきと世界三大珍獣のコビトカバを交換してくれたとか。
ともあれ、スルスル食べ終え、ツユをふた口ゴクリ。グラスの水で塩分を希釈して紙ナプキンで口をぬぐう。今度はたぬきにしよう。
ごちそうさまでした。