鍋焼きうどんは、はっきり食べたいという意思がないと頼まない。店にいく道すがら、なんなら、朝起きたときから鍋焼き腹なのだ。
断固たる決意が必要、そう、桜木花道さながらのダンコたる決意が必要なのです。ブログをひもとけば、およそ1年ぶりの注文です。
ずいぶん久しぶりと思うけど、真夏に食べたのは味噌煮込みうどんでした。同床異夢のように、微妙にジャンルが異なりますね。
ほどなくやってきました鍋焼きうどん。ジンライムのような、お月さまのような玉子を覆い隠す具材たち、ウキウキしますね。
ぐらぐら煮えたつ鍋に、七味をざんざん振って、香りを楽しむ。箸を割り、小鉢にうどんをいく筋か取り分け、ハフハフと食べる。
醤油と味醂のきいた甘〜いツユが、たっぷりの七味と手を取り合ってうどんをアシスト。ズルズル、アチアチ、汗が噴き出します。
かまぼこはムッチムチで、板わさにしたら、日本酒が似合いそう。ツユをたっぷり吸ったお麩も、ジュワ〜と滋味にあふれます。
半熟になった頃合いで玉子を小鉢に取り分けて、くったりしたうどんと絡めれば、黄身のまろやかなコクがえもいわれぬおいしさ。
大きな海老天をガブリとかじると、まずはごま油の香り、そしてしっとりした衣の甘み、最後に海老の旨みがプリプリと弾けます。
なんだろう、このQOLの高さ。言ってみれば月見海老天うどんなのに、鍋で煮込むというギミックがステージを1つ引き上げます。
1年ぶりとは思えぬほど、徹頭徹尾楽しい。グラグラよく煮えてるので、海老の尻尾もバリバリ食べちゃう。心身、温まりました。
ごちそうさまでした。