街そば屋さんが、どんどん閉店している。以前からくすぶっていた高齢化問題に、コロナ禍がブーストをかけた印象で、個人的には寂しいかぎり。
各種そばはもちろん、鍋焼きうどんや丼もの、なんなら中華そばも出すような、ざっかけない街そば屋さん。とにかく微力ながら食べて応援です。
で、年に一度は食べておきたいこちらの夏の風物詩は、その名も涼彩そば。いわば冷やしそばのオールスター、盛りつけは四尺玉のように華やか。
ツユをかけ、ワサビを溶かしてズズッとたぐる。冷たいそばが喉越しさわやかで、冷たくてもなおダシのきいたツユが味わいを添える。これこれ。
揚げ玉サクサク、お揚げは甘く、ナルトはむちむち、どれも主役級の働き。ツユを吸った玉子、クキクキのワカメ、青臭い胡瓜も主役を食う勢い。
冷やし中華同様、美しさはすぐさま混沌へと移ろい、入り交じったおいしさが口で跳ねてます。たまにシャリっと甘酸っぱい紅生姜が影の MVP。
ズルズル食べれば、あっという間に宴は終わり。見た目は派手な四尺玉ですが、線香花火が終わった後のような、穏やかな余韻が残る食後でした。
ごちそうさまでした。
★しばらくは孤食のグルメ&お蔵出しです。