今どきの醤油ラーメンには、テンプレがある。地鶏や貝の淡麗なWスープ、低温調理のしっとりチャーシュー、国産小麦に蔵元指定の醤油。
当然ながら、なべておいしい。吟味された材料に、丁寧な接客、卓上の調味料も豊富で非の打ち所がない。あえていえば、お高めなのよね。
さて、初訪問のこちら。ここはひとつ、特製らぁ麺で店の実力をはかろうか。券売機の左上、店の看板メニューが鎮座するボタンをポチり。
カウンターで水を舐めつつ、壁の効能書きを眺める。どうやら、味付けによりスープが違うらしく、醤油は鴨と大山鶏を炊いたらしい。
厳選小麦の自家製麺、黄身の濃さが売りのマキシマムこいたまご、豚肩ロースと鶏胸の2種のチャーシュー。読みごたえ十分で楽しみが加速する。
なるほど情報を食べる、とはこういうことか、納得。ともあれ、やってきた丼ぶりは期待に違わぬ美麗な盛りつけで、マスクの下でほくそ笑む。
まずはスープ。さっぱりながら、深みがある、さすが鴨だし。などと通ぶるも、感覚ではなく知識で味わってますな。でも、おいしいや。
お楽しみのチャーシュー。鶏はサクとした歯ざわり、豚はしっとり味わい深い。ここでふと、店内のBGMが矢沢永吉であることに気づく。
店長、みたところ年下だけど永ちゃんファンなのだろうか。いや、いいんだけど押し出しが強いな。♩ホワァイなぜに〜などと脳内に反響する。
ともあれ、全粒粉の麺は小麦の香りが感じられて、スープが引き立つ。たまごの黄身は夕焼け色で味も濃く、長〜いメンマはすすれます。
テンプレなのか、流行なのか、あるいは皆が研鑽すると、ここにたどり着くのか。再開発されたキレイな街並みを楽しむようならぁ麺です。
ここでBGMはアイドルになり。どうやら永ちゃん推しではなく、有線のイタズラだった模様。今度は、雑多な商店街みたいな中華そばを食べるかな。
ごちそうさまでした。