深海魚というと、チョウチンアンコウが思い浮かぶ。はるか昔、昭和のころのヤッターマンに、アンコウをモチーフとしたロボがいたっけな。
詳しい記憶はないけど、自身の提灯の光でエサをおびき寄せるというギミックは、幼ごころに感心した。そして、深海の真っ暗闇を思い、少し怖かった。
こちらも深海魚、金目鯛。深海に暮らすだけあって、わずかな光も逃すまいと目が非常に発達している。鯛を名乗るけど、独立したキンメダイ目らしい。
煮つけのイメージが強いけど、西京焼きとは物珍しい。保存と味つけを兼ねた味噌漬けは合理的だよね、などと思う間にやってきたのは立派なキンメ。
尻尾の半身だけど、特徴的なアタマのほうは、夜の居酒屋営業で、煮つけるのかな。よく動く尻尾は、身がしまっているから、楽しみ、楽しみ。
金目鯛といえば身離れのよさ。箸を入れれば、ひと口量がすぐにもぎとれる。プリプリと歯ごたえよく、西京味噌の風味も相まって、オカズヂカラが高い。
深海魚というと、伊豆半島沖が陸から近いのにやたら深いので好漁場なんだっけ。静岡旅行は、富士山界隈しか行ったことないけど、漁港巡りも楽しそうだ。
などとコロナ禍明けを夢想しつつ、おいしくいただく。やはりキンメは、ご飯もいいけど、ビールや日本酒のほうが似合う味ですね。ハイボールもいいな。
ともあれ、小さな身の1つひとつまで丹念につつく。皮がねっとりしているのも、面白いアクセントです。キレイに食べ終えて熱いほうじ茶をすする。
ごちそうさまでした。