今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

定食春秋(その 453)本日のお造り膳

 

刺し身を常食するようになったのは、大学で上京してからである。サークルの飲み会やなんかで、刺し盛りが出たりして、つまむように食べ始めた。

 

私は両親が金沢なので、魚はよく食べるほうだったけど、寿司はともあれ、生魚を食べる習慣はなかった。焼く、煮る、揚げるなど、必ず火が入っていた。

 

両親は戦中生まれなので、生魚はあまり食べないし、肉も好まない。コールドチェーンのなかった頃に育ったヒトに、食生活を変えろというのは酷である。

 

さて、能書きはさておき、今では刺し身が大好きです。こちらのお造りランチは、ブログをみるに年1ペースで食べてますね。お上品で、おいしいんだな。

 

まずは赤出しで箸を湿らせ、刺し身に手をのばすとみせかけ、ナスの煮びたしをパクリ。ダシの旨みと生姜の香りがナスによーくしみていて、ごはんがススム。

 

だし巻きたまごは、醤油をたっぷりかけた大根おろしとともにパクリ。お酒ならば日本酒が合いそうなオカズヂカラで、当然に同じ米類にはピッタンコ。

 

ここで、やたら熱い赤出しをゴクリ。この渋みをおいしいと感じるこそ、オトナの特権よ。さて、自分を焦らしたところで、いよいよお造りをやっつけようか。

 

まずはマグロにワサビを乗せ、醤油をつけてパクリ。いかにも赤身のさわやかな旨みと、サッパリした鉄分が感じられて嬉しい限り。ごはんは当然ススム。

 

ブリかな、ハマチかな、知識がないのは恥ずかしいことだと思いつつ、おいしくいたどく。白身も出自は謎だけど、おいしくいただければ、けっこうシアワセ。

 

大葉もツマもシソの実もきっちり食べてゆく。赤いカイワレの先っぽみたいなのは何だろうと調べればに「紅たで」というらしい。蓼食う虫も好き好きのタデ。

 

なるほど、何十年と見てきたのに初めて名前を知りました。「雑草という名の草はない」とは昭和天皇のお言葉ですが、改めて無知を恥じ入りました。

 

ともあれ、1年ぶりのお造り膳をおいしく楽しくいただく。2周目に入っても、どれもオカズヂカラが強いので、ウキウキと完食いたしました。

 

ごちそうさまでした。