今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

定食春秋(その 518)四川風花椒麻婆豆腐ランチ with 半元祖餃子

 

麻婆豆腐の辛さは、店によりピンキリである。万人向け丸美屋甘口クラスもあれば、一見さんの心を折る猛烈な辛さまで、食べてみるまでわからないのが実際である。

 

とはいえ店構えによって、ある程度の推測はつく。いわゆる大衆食堂や街中華はそんな無茶な辛さにはしないけど、店員さんが中国人の本格派の店はかなり危ない。

 

危ないというのは仮にも飲食店に対して失礼な表現ですね、かなり期待ができると言い換えましょう。こちらは焼き餃子を扱うものの全盛期の江川ばりの本格派です。

 

周りをみれば麻婆麺も人気のようですが、今日は餃子付きのランチセットにしよう。四川風を名乗るからには、かなりの辛みが予想され、水を飲む手も武者震いです。

 

しばらくしてやってきたのは、ライスとスープと焼き餃子。麻婆豆腐は作り置きではないのだろう、高まる期待を焼き餃子を食べて鎮めれば、軽い食感がステキやん。

 

野菜餃子は創業以来変わらぬ味らしく、何もつけなくてもおいしい。カールを食べているくらいのサクッとした歯ごたえ。残りは麻婆豆腐の到着を待って食べようかな。

 

程なくやってきたのは麻婆豆腐はかなり赤い。どれくらいかというと、シャア専用ザクが実はサーモンピンクだとすると、こちらはサザビーくらい赤い。なんの喩えだ。

 

ひと口食べれば、ヒーハーと口内環境が上を下への大混乱。ラー油の辛み、花椒のしびれが我も我もと押し寄せるのに、挽き肉の旨み、豆腐のやさしさが味わえます。

 

しばらく麻婆豆腐を食べ続けオデコに汗が滲むころ、ライスをざぶざぶ食べる。コシヒカリだの、あきたこまちだの、ブランド米ではないだろうけど、心の底から甘い。

 

餃子やスープを辛みの逃げ場に挟みつつ、麻婆豆腐と対峙する。辛いけどおいしい。おいしいけど辛い。アンビバレンツな感情もそのままに、食事マストゴーオン。

 

ライスが半分になったところで、麻婆豆腐をすべてかけてしまい、ここからは麻婆丼です。牛丼と牛皿&ライスがまったく別の味わいであるが如く、麻婆丼もまた然り。

 

辛みの避難所であったご飯の隙間に、容赦なくラー油が入り込む。あたかも、心の隙間を見つけた喪黒福造の如し。自ら望んだ辛みの海に溺れるランチタイムでした。

 

ごちそうさまでした。