営団地下鉄のことをためらいなくメトロと呼ぶようになったけど、はじめは違和感があった。日常にあまり使わないフランス語由来というのも、その理由かもしれない。
国鉄がJRになったころは、公営企業の民営化が続いており、電電公社はNTT、専売公社はJTなど、アルファベットの略称が「ナウかった」。競馬会はJRAだし。
ともあれ、東京メトロの眷属である路麺店のめとろ庵が、春のキャンペーンで「朝めし」を強化している。すべて半そばとのセットで4種の丼ぶりが用意されている。
メニューをみれば、めとろ丼、ハムエッグ丼、シュウマイカレー、小えびおろし丼。多様な丼ぶりもののオペレーションは大丈夫だろうか、などと外野ながら心配する。
パイロット版の限定っぽいし、早めに食べておかねばなるまい。一期一会の精神で、食べておくべきは店名をその名にいただく「めとろ丼」だろう。名が体を示さない。
告知ポスターをみたところ、たぬき丼の温玉のせのようで、朝からワクワクしながら食券を購入する。水を汲んで店の外の信号待ちをする車を眺めていると、呼び出し。
思ったよりごはんが小ぶりで、半そばが大きいな。味噌汁がわりに、そばで箸を湿らせて、いざ丼ぶりを食べる。カエシがかかっているようで、味つけは不要ですね。
ひと口食べればサクサクの天かすが心地よく、添えられた野沢菜漬けのほどよい塩っけとの相性が最高です。頬張ったごはんをそばのツユで流し込めば至福のひととき。
温玉というより、半熟玉子かな、箸で突き崩すとぽってりしており、丼ぶりの底にたまったカエシを掬い上げるようにごはんと混ぜれば、あとはガブガブ食べるのみ。
そばに七味をふってズルズルすすり、丼ぶりごはんをかきこんでは、そばツユをゴクリ。できるならばダイエットの合間に全種類食べたいと思うセボーンな新作でした。
ごちそうさまでした。