今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

定食春秋(その 546)アボカドバーガー

 

マツコの知らない世界が好きである。その道のマニアによるマツコへのプレゼンは時に滑稽に映るけれども、やはり情熱が勝り引き込まれる。何かに夢中な人は美しい。

 

先日放送されたのが「バーガーの世界」。ハンバーガーを1500日以上食べ続けたという情熱は「体に悪そう」なんていうこちらの懸念を吹き飛ばす勢いがあります。

 

で、紹介されていた店を訪ねる。我ながら TV に影響されやすいけど、イナカ出身者からすれば、TV の世界に手が届くなんて何歳になっても贅沢かつ貴重ですよね。

 

メニューが豊富で悩ましいけど、栄養バランスを考えてアボカドバーガーを選ぶ。カウンター席なので、自分のためにバンズやハンバーグが焼かれる光景を眺めて待つ。

 

程なく出来上がったバーガーは横より縦が長く、いかにも本格バーガーです。別にマックが軟投派というわけではないけど、この質量は本格派と表現したくなりますね。

 

紙袋におさめ、口に入るサイズまで軽く潰す。少しはみ出してくる特製マヨネーズを舐めれば繊細な旨み。アメリカンな豪快さとジャパニーズの繊細さのハイブリッド。

 

ガブリとかじりつけばバンズは香ばしく焼かれ、それでいてふわふわ。レタスの爽やかさ、トマトの酸味、アボカドの脂が、どっしりおいしいハンバーグとよく似合う。

 

当たり前ながら、口の中はさまざまな素材で軽く混乱する。噛むごとに味は二転三転して、やがて均質においしい。口がしつこくなるので、アイスコーヒーをゴクリ。

 

苦味でリセットしたところで、ポテトにマスタードをまぶして食べれば、適度な酸味がたまらない。再びハンバーガーをガブリと食べて、今度はピクルスでリセット。

 

紙袋に入れているとはいえ、手づかみで食事するワイルド感は格別。でも食べ終えるころには、すっかり腹くちくなる中年の悲哀。アイスコーヒーでお腹タプタプです。

 

ごちそうさまでした。