今日も 来て しまった

おいしく食べて、温かい布団で眠る。しあわせのかたちを考える日々の記録

麺喰らう(その 901)にしんそば

 

にしんそばというと京都の名物で、甘く炊かれた身欠きにしんと、はんなりした京風のツユがおいしい。しかし、不勉強であったが、実は北海道名物でもあるらしい。

 

マンガ「ゴールデンカムイ」で描かれたにしんそばで知ったのだが、こちらはどうやら関東風のツユっぼい。まあ漁場に近いのだから、地元メシになるのもうなずける。

 

都内のそば店でにしんそばを取り扱うところはあまり多くない。立ち食いそばではキャンペーンで見かけるくらいで、街そば屋さんでチラホラと出す店がある程度です。

 

身欠きにしんは保存がきくけど、どれだけ注文があるか読めないので、厨房としても困るのかな。実際問題私も1年ぶりだし、しょっちゅう食べるものではないのかも。

 

さて、にしんそば。メタリックに輝くにしんは、いったん乾物になったとは思えない色合い。端っこを少し箸でもぎ取れば、ほろほろとして、食べると甘みが強い。

 

噛めばキュムキュムと独特の食感で、ツユにしみ出す旨みまでがにしんそばの味。ともすると甘ったるくなるところを、七味で引き締めてスルスルとそばを食べていく。

 

産地と消費地に名物料理が根づくのは、非常に興味深い。そういえば、沖縄料理に欠かせない昆布だって、産地は松前藩、北海道なわけで、民俗学的に興味深いですね。

 

ごちそうさまでした。